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日本の伝統的な劇場:歌舞伎



ここでは、日本の伝統芸能である歌舞伎の劇場について詳しく見ていきます。

観客を驚かせる劇場

観客を驚かせる劇場

江戸時代初期の元禄期、歌舞伎は町人文化の代表として華々しく開花しました。人形浄瑠璃や義太夫狂言の原作をもとにした演目の台頭などで歌舞伎はみるみるうちに大流行し、文化・文政期には、舞台装置も「迫り(せり)」や「すっぽん」、「廻り舞台」、「がんどう返し」などの大スペクタクルな機構が取り入れられるようになりました。幕府が公認した江戸の歌舞伎興行用の芝居小屋は、中村座・市村座・河原崎座の3つ。それらを合わせて江戸三座や官許三座、公許三座などと呼ばれていました。また、芝居小屋の周りには、芝居の幕間に客が食事をしたり交流したりする芝居茶屋が軒を連ね、まるで現代のアミューズメントパークのように連日大賑わいだったようです。ここでは、そんな日本の伝統文化の華ともいえる歌舞伎を、舞台装置や劇場(小屋)といったハードの側面から見ていきます。観客をあっと驚かせる歌舞伎舞台ならではの仕掛けや演出は、長い歴史の中で作品をより魅力的にするために次々と生まれました。世界に誇るカラクリとも言われる歌舞伎舞台の仕組みと工夫をご紹介します。

歌舞伎の舞台機構

歌舞伎の舞台機構
廻り舞台
舞台の床の中央が丸く切り抜かれていて(盆)、それを180度回して場面を転換させる仕組み。演者が回る盆の上を歩いて次のセットへ移動することで時間の経過を表すこともある。
奈落
舞台や花道の真下にある空間のこと。
迫り(せり)
舞台の一部が上下して舞台上と奈落を行き来する仕組みで、人間が乗って使用する。
大迫り
舞台中央にある大きな迫りで、大道具全体を上下させる。
花道
舞台の下手にあり、舞台と花道の突き当たりの鳥屋(揚げ幕の内部にある小部屋)を結ぶ通路。場面によって、廊下や道などとして使われる。
すっぽん
花道の舞台寄りの七三(揚げ幕から七分、舞台から三分の位置)にある小型の迫り。幽霊や妖怪、小動物など基本的に人間ではないものが出入りする。
黒御簾(くろみす)
舞台の下手にある、簾のかかっている黒い部屋。舞台の様子を見ながら、太鼓や三味線で効果音やBGMを出す、歌舞伎のミキサー室。
揚げ幕
俳優が出入りするところにかかる幕。舞台の上手や鳥屋にかかる。
振り落とし
舞台の天井部分に設えられた「吊り物」の機構。あらかじめ背景などを描いた道具幕や浅黄幕を吊っておき、場面転換の時に一気に床まで落として幕の後ろに隠していた背景を瞬時に現す仕組み。上から一気に幕を下ろして背景やセットを隠す場面転換の仕組みを「振りかぶせ」と言う。
がんどう返し
屋敷や寺社の大屋根などが後方へ90度回転し、床に隠していた次の場面が現れて瞬時に場面転換される大掛かりな仕掛け。上に俳優を乗せたまま回転することもあり、観客は驚かされることが多い。

歌舞伎劇場の客席と主な施設

歌舞伎劇場の客席と主な施設
桟敷席
歌舞伎の席で一番高価な席。1階席の両端に細かく仕切られたブースのように位置しており、靴を脱いでゆったり過ごせる特別な空間。花道がすべて観られるのはもちろん、他の1階席より位置が高いので舞台全体が見渡せる。
一幕見席
歌舞伎専用の劇場である歌舞伎座(東京都中央区)の4階にある、好きな幕だけを当日券で気軽に鑑賞できる客席。何度も鑑賞するファンや歌舞伎鑑賞が初めてという人にも好まれる人気の席。

歌舞伎座をはじめとする歌舞伎専用劇場には、レストランや喫茶室、弁当店、土産店、売店などさまざまな施設が揃っており、芝居の前後や幕間に、食事や買い物を楽しんだり、ゆっくり休憩したりできるようになっています。食事や憩いも含めてエンターテインメントとして丸一日楽しめるのが歌舞伎の魅力なのでしょう。