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大阪フェスティバルホールの
最新音響技術



西日本を代表する音楽の殿堂「フェスティバルホール」が2013年4月にリニューアルオープンしました。同ホールが音楽の殿堂と言われる所以は何よりもその音響設備。国内外の演奏家やミュージシャンから賞賛され、「天井から音が降ってくる」と評されたほどです。新しくなったホールは、そのような旧ホールの伝統を継承しながらも最新の技術を導入し、「継承と進化」をコンセプトに設計されました。クラシック音楽専用ホール並みにこだわったとされる、新生フェスティバルホールの最新音響技術と防音設備に迫ってみたいと思います。

室内音響設計

室内音響設計

旧ホールでのクリアで解像度の良い響きはクラシックファンにも好評でした。新ホールではその響きの明瞭さを踏襲。加えて響きの豊かさを両立することを目標に音響設計が行なわれました。音響設計では、壁などに当たって客席に届く反射音が重要とされています。音量や明瞭さ、音に包まれる感覚など良質の音をつくる要素は、直接音が出てから0.1秒以内にできるだけ多くの反射音が観客に届くように設計することで得られるのだそうです。

具体的な設計としては、舞台反射板を設置した時の舞台間口を25mと以前より5m狭くし、1階席の中央部分の音響条件の改善を図るために側壁を平行として折れ壁を設けました。天井の形状は、旧ホールの曲面形状を残しつつ、客席にまんべんなく反射音が到達するような形状に。旧ホールで象徴的だった天井の木リブも音の拡散の目的で再現されています。このように室形状にこだわり、多くの客席で有効な反射音が得られるように改善されましたが、それでも舞台中央部や1階席中央部の客席ではまだ不十分だったために、舞台中央部や客席側壁一面に拡散体を設置することとなったのです。

拡散体は、客席横から舞台奥までの側壁に連なる大きな立方体の凸凹のことです。旧ホールにもありましたが、その性能や形状はまったく異なります。意匠的にも音響的にも最適となる拡散体の形状を徹底的に検討した結果、正面の縦横各1m、高さ45cmで、奥行寸法や角度が異なる10種類の拡散体が合計811個も設置されました。これらの凸凹に次々と音が反射し、客席にまんべんなく音が届くという仕組みです。フェスティバルホールに行かれた際はぜひ観察してみてください。

防振遮音計画

フェスティバルホールが入っている中之島フェスティバルタワーの地下には、地下鉄四つ橋線が走行しています。設計時の音響調査において、新ホールでの走行音(固体音)はNC-25~30と予想されました(NC=Noise Criterion。ホールやスタジオの室内暗騒音レベルの推奨値はNC-20)ので、その走行音、振動音がホールに伝わらないようにしなければなりませんでした。また、ホールの周辺には店舗やオフィスが並ぶため、大音量を発する催し物などの伝播音防止も視野に入れる必要があったのです。巨大な舞台空間すべてにおいて防振遮音工事が必要となり、最先端の防振ゴムによる防振遮音構造が採用されたそうです。結果、竣工後に実施した音響測定において、地下鉄走行音はNC-15未満(NC-15は人の最小可聴レベル)に、隣接室への影響も問題ないレベルに遮音されました。

※フェスティバルホール音響設計担当・永田音響設計「ニュースの書庫」より引用