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劇場・ホール・会館の照明技術



日本の伝統芸能の能や歌舞伎もヨーロッパのオペラも、誕生した頃の「照明」は、基本的に太陽光でした。室内で行なわれたお芝居も、明かり取りの天井や障子窓から日の光を取り入れて上演されていました。ですので、明るい昼間の時間帯に上演されていたのが常だったようです。現代では、室内はもちろん屋外でも照明技術による演出は欠かせないものであり、演者やストーリーを際立たせたり、シチュエーションを転換したりするための重要ツールであると言えます。ここでは、劇場やホールの照明技術について見ていきましょう。

伝統芸能の照明

能

昔はもちろん照明はありませんでしたので、能の上演は朝から夕方まででした。また、能舞台には屋根がありますから屋外と言えども舞台上は暗く、そんな舞台に少しでも太陽光を取り入れようと工夫されたのが、舞台や橋掛りの周りに敷き詰められた白い玉石の「白州」でした。白州に太陽光を乱反射させて舞台を明るく見せていたのですね。

照明が必需品となった現代も、能の公演中は調光が不要なために、極めてシンプルな照明器具が使われているのが特徴です。また、なるべく舞台上に影が出ない「ベタ明かり」が理想とされています。

歌舞伎

江戸時代に発達した歌舞伎。提灯や行灯を使っていた場合もあるようですが、基本的には太陽光でした。規模にもよりますが、芝居小屋は3階建てくらいの高さがあり、2、3階のほうに障子窓があり、そこからの明かりで上演していたようです。また、今で言うスポットライトにあたる「面(つら)明かり」という手法がありました。これは、棒の先に付けた皿の上で紙燭を灯し、それを後見(こうけん。黒子)が役者に近付けて顔を照らしたというものでした。また、今でも歌舞伎は暗闇であろうが、夜が朝になろうが、照明は変化しません。照明を演出に使わないのが江戸歌舞伎の基本のようです。スポットライトを当てるのは、劇場が広くて役者の顔が客席に見えないからとの理由です。

劇場・ホール・会館の照明の位置と役割

舞台天井からの明かり

・サスペンションライト:舞台上のバトン(サスペンションライトバトン=通称・サスバトン)に吊ってあるライトの総称で、さまざまなライトを吊ることができます。地明かり(全体をベタに照らす明かり)は必ず吊られ、ナマ(カラーフィルターを通さない白い光のこと)やブルーが基本色となります。

・ボーダーライト:サスペンションライトより客席側に吊られ、舞台全体をフラットに照らします。上演中はほとんど使用されず、作業灯として用いられることが多いようです。

前明かり

・シーリングスポットライト:客席の頭上にあるライトで、客席側から舞台上を照らし、役者の顔を見せるために使います。舞台の天井からの明かりだけでは役者の顔に影が出てしまうので、この明かりが必要となります。

・フロントサイドスポットライト:側壁にあり、斜め上から舞台上を照らすライト。シーリングスポットライトだけでは立体感がなくなるためにこのライトを駆使します。

・センターフォローピンスポットライト:客席の頭上にあり、シーリングスポットライトよりも後ろ(客席の後方)に位置するライト。役者をフォローするように後方から照らすライトで、調光は調光卓での操作ではなく、直接ライトを動かします。

・ステージスポットライト:舞台袖に置いて舞台を横から照らす、移動可能なライトのことです。

ホリゾントライト

舞台最奥のホリゾント幕を照らすライトで、上から照らすアッパーホリゾントライト(アッパー)と下から照らすロワーホリゾントライト(ローホリ)があります。施設によってさまざまですが、ほとんどの場合、各4色ずつのカラーが入っており、それぞれの色のゲージを変えることであらゆる色が作り出せるようになっています。