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劇場・ホール・会館情報

成功する劇場運営と種類



2012年初秋、東京・青山にある国立総合児童センター「こどもの城」が2015年3月末をめどに閉館するというニュースが飛び込み、それに伴って施設内の青山劇場と青山円形劇場も閉館するとされ、多くのファンや劇場関係者が衝撃を受けました。2013年夏の現在も、3つの施設の存続を願う署名活動などが続けられています。この事例だけでなく、ここ数年の間で規模の大小問わず、また公立のホールや商業劇場を問わず、劇場やホールの閉館が相次いでいます。その原因は老朽化や経営の悪化とされていますが、一方で魅力ある興行を企画・上演して黒字収益を継続し、成功している劇場も存在します。その違いはどこにあるのでしょうか。この時代に生き残る劇場運営の秘訣とは。

劇場・ホールの相次ぐ閉館から見る問題点

劇場・ホールの相次ぐ閉館から見る問題点

新宿コマ劇場や近鉄劇場、ル・テアトル銀座、青山劇場・青山円形劇場(2015年3月予定)…と、ここ数年間で全国的にも有名な劇場ほか多数の小劇場が閉館に追い込まれています。その背景には、施設自体の老朽化や資金繰り悪化で魅力ある興行が継続できず、観客動員が激減(=収益減少、数年連続の赤字計上)したことなどがあります。とはいえ、青山劇場・青山円形劇場を含む「こどもの城」は存続を願う国民の声の方が多く、また2010年に行なわれた国の調査(厚生労働省内事業仕分け「財団法人児童育成協会の改革案について」)には、「開設から今年で25年が経過するが、建物はまだ十分使用に耐えられる」と記載されており、観客動員の減少や老朽化が原因ではないのではという声が上がっているのも事実です。そのほか、劇場が閉館する要因としては、大都市圏には駅前の高層ビルの再開発とセットで設備充実の専用劇場などが次々とオープン(リニューアルオープン含む)し、立地の良さもさることながら、上演される演目がより細分化されることで専門性、エンタテインメント性が増し、従来の多目的ホール型である劇場が自然淘汰されていったという流れも考えられます。また、一部の劇場、劇団で補助金の不正受給が続き、文化庁や芸術文化振興基金への補助金申請条件が厳しくなったことが小劇場の閉館につながったという原因もあげられるようです。

劇場を存続させ、成功させるためには

劇場を存続させ、成功させるためには

いずれにしても、劇場やホールは「ハコ」だけでは成り立ちません。小規模ながら斬新な企画で多くの固定ファンを持つ劇団や、海外の魅力ある実演芸術を発掘し続ける企業・団体など、ハコが存続する要は何よりも集客できるソフトにあります。演目や上演形態、舞台の形式が多様化する昨今、いかに人を惹き付ける内容を発信するか。そのためには、ハコの経済的利益ばかりを考えていてはつぶれてしまいます。内部に利潤を生むことを最終目的にするのではなく、地域社会に、市民に国民に成果をもたらす(社会貢献する)ことを最優先するべきなのでしょう。そのためには、多目的ホールなどの公立文化施設であれ、市民のために質の高い芸術鑑賞の場を作るという高い意識が必要です。自治体直営ではなく、芸術団体との連携を蜜にして専門家を招いたりするほか、専門の制作スタッフや芸術監督、専属劇団や舞踊団などの芸術家集団が常駐して活動する必要性も出てくるでしょう。ソフトを提供する芸術団体とハコを管理する施設側(主に自治体、国)が、「質の高い実演芸術を観客・聴衆に提供し、社会貢献する」という共通の目的を掲げ、実現していくことが劇場そのものの存続、成功につながると考えられます。