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歌舞伎の基礎知識



歌舞伎は「歌・舞・伎」と書く通り、俳優(演技)、踊り、音楽が豪華にマッチした日本独自のエンタテインメントです。 大まかに言うと江戸時代の現代劇。大人から子どもまで、一般庶民が観客だったため、実はとても分かりやすく作られています。

当時の事件や出来事を題材にしたり、さまざまな表現で「らしさ」を追求したり、虚構だから楽しめるのが歌舞伎の世界です。では、どんな決まりごとやお約束で「らしさ」を追求しているのか、歌舞伎を楽しむための基礎知識をご紹介しましょう。

歌舞伎の公演形態

歌舞伎の公演形態

歌舞伎公演は、年間を通して各地で行なわれています。

東京は歌舞伎座を筆頭に、国立劇場新橋演舞場浅草公会堂日生劇場など、大阪は松竹座、京都は南座、福岡は博多座、このほか香川の金丸座、愛媛の内子座など、歌舞伎が上演される劇場は全国にあります。

公演は基本的には約ひと月単位、通常、昼の部、夜の部の二部制でプログラムが変わります。どこでどんな公演をやるのか、情報は歌舞伎公式ウェブサイト「歌舞伎美人」 で見ることができます。

公演によって違いますが、昼の部・夜の部、それぞれ時間は4時間くらい。一つの芝居で幕が下りると、「幕間」と呼ばれる休憩時間。お茶を飲んだり、劇場内で食事をしたり、幕間の過ごし方も歌舞伎の楽しみです。

チケットは劇場予約、電話予約、インターネット予約などで購入可能。料金は席によって異なります。

「お約束」を知れば、歌舞伎はとてもわかりやすい

「お約束」を知れば、歌舞伎はとてもわかりやすい

歌舞伎は江戸庶民の娯楽でしたから、多くは当時の出来事を題材に作られています。「忠臣蔵」もそのひとつ。ですが、実際の事件をそのまま描くと、お上から叱られる。そこで、時代設定を変えたり、名前を変えたり、さまざまな工夫をこらして物語が作られました。

江戸時代の人々は性別や身分、職業によって、髪型や服装、言葉づかい、使う道具も決まっていたので、誰でも、見ればすぐ何をしているどんな人か、わかるというわけです。

今では、「イヤホンガイド」という同時解説を利用すれば、知識がなくても大丈夫。ストーリーから衣装、小道具の意味、見どころまですべて同時で解説してくれるので、初心者でも楽しめます。

役柄を大きく分けると、「立役(たちやく)」(善人の男役)、「女方(おんながた)」、そして悪役の「敵役(かたきやく)」。さらに物語によって、「若衆」「道化役」など細分化されます。作品は、江戸より古い時代を描いたもの、江戸庶民の世界を描いたもの、舞踊、人形浄瑠璃から生まれたものなどさまざまです。いずれも庶民を楽しませるものだったので、とにかく分かりやすく、楽しく、身近な喜怒哀楽の世界が描かれています。

「らしさ」を追求するさまざまな演出

「らしさ」を追求するさまざまな演出

俳優の表現や音楽、さまざまな演出で徹底的に「らしさ」を追求する歌舞伎。

例えば大名は大名らしく、お姫様はお姫様らしく、悪役はいかにも悪い奴という感じで舞台に存在します。そして徹底的に観客を楽しませる。

お客の意表を突く奇抜な演技・演出を「ケレン」と言います。

俳優が素早く別の役に変わる「早替(がわ)り」、衣装が一瞬でチェンジする「引抜(ひきぬき)」、天井高く飛ぶ「宙乗り」、人形を動かすように俳優が動く「人形振(ぶ)り」など、いずれも奇抜で楽しい演出です。立廻りもより美しく、より豪華に見せるために様式化されています。

キメの場面でポーズを取り、観客の目をひく「見得(みえ)」、静止して両目をゆっくり寄せる「にらみ」、手足を拡げながら跳ねるように飛び歩く「六方(ろっぽう)」も歌舞伎独特の表現。そして、歌舞伎には「実は●●」というどんでん返しの物語が多くあります。庶民に見せかけて実は名将、バカのふりして賢者、この意外性、「そんなまさか」という大胆な展開が、楽しみのひとつでもあります。

女方のキャラクターも「武家」、遊女の「傾城(けいせい)」、町人のお嬢様「娘」、粋のいい庶民の「女房」があり、衣装やメイクだけでなく、動きやセリフでいかにもそれっぽく見せるのが「女方」の腕の見せ所。

また、絢爛豪華なものあり、当時の庶民の暮らしをリアルに表すものあり、季節感や場所、人柄までも表す衣装も見どころのひとつです。

俳優の演技と同時進行する音楽は、伴奏の「長唄」、語りも担当する「竹本」、浄瑠璃の代表格「常磐津」、高音が美しい「清元」があります。

そして効果音、すべて和楽器の生演奏で行なわれています。雪の場面ではドン、ドン、ドンという太鼓がしんしんと降る雪を表現、三味線の音で鳥の鳴き声を表すことも。音は原則として、舞台左手の「黒御簾(くろみす)」で、舞台の進行を見ながら演奏されています。

また芝居中に、「成田屋!」「中村屋!」と、聞こえる大声は、「大向こう」と呼ばれる歌舞伎通が役者にかける屋号。芝居を盛り上げる重要な要素です。

最後に台詞。昔の言葉で分かりにくいのではと思いがちですが、基本的にゆっくりしたテンポで話すため、よく聞けば、特に難しいことを言っているわけではありません。「番付(ばんづけ)」と呼ばれるパンフレットには物語も解説もありますし、あらかじめ読んでおけば、よく分かります。少々分からない言葉が登場しても、ストーリー上は問題ありません。歴史劇あり、ラブストーリーあり、ドロドロのメロドラマあり、勧善懲悪のヒーローものあり…、歌舞伎の物語は想像以上に共感性がありエンタテイメント性に富んでいます。まずはエンタメ性たっぷりの歌舞伎を体験してみてはどうでしょうか。