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歌舞伎の特徴と大道具、小道具



「わかりやすさ」「楽しさ」を追求するために、さまざまな演出をほどこし、たくさんの仕掛けが考案されてきた歌舞伎の舞台。俳優との親近感をもたらす「花道(はなみち)や素早い舞台転換を可能にする「廻り舞台」は、歌舞伎が生んだ世界に誇る舞台機構です。「廻り舞台」も、役者を舞台下から登場させる「セリ」も、元禄時代に考案されたというから驚きです。いずれも自在に空間を変え、物語を効果的に伝えてくれるもの。ここでは、劇場空間をスペクタクルにするさまざまな装置をご紹介します。

アミューメントパークのような仕掛け

アミューメントパークのような仕掛け

劇場正面が舞台、舞台に向かって左には、「花道」。花道は、舞台に向かって、客席をタテに貫いています。役者が出入りする通路で、ここで見得をきったり、迫力ある演技が展開されます。花道近くは特等席です。

舞台の緞帳があがったら、緑・柿色・黒の「定式幕」。チョンチョンと打たれる祈(き・拍子木)の音が、開幕の合図です。

定式幕がひかれると、もう一枚幕が吊られていることもあり、これは「道具幕」「浅葱幕(あさぎまく)」などと呼ばれます。上から一気に振りおろして物語をスタートさせるのは「振り落とし」、背景やセットを隠す場面転換は「振りかぶせ」と言います。

舞台の右袖(下手)の「黒御簾(くろみす)」は、音楽や効果音の演奏者たちがいる場所です。

舞台中心には「廻り舞台」。舞台の床が円形に切ってあり、それを回すことで裏側に用意したセットが現れる。舞台装置を素早く転換させる仕組みで、今では世界各地で使われていますが、最初に考案して使ったのは歌舞伎なのです。

「セリ」は俳優や大道具をのせて、舞台下から舞台上は運びあげる大仕掛け。大きいものだと、屋敷のセットごとあがってきます。「花道」にも「セリ」があり、「すっぽん」と呼ばれます。「すっぽん」から出てくるのは、幽霊や妖怪など人間ではないのがお約束。

舞台の下は、「奈落」と呼ばれ、舞台セットを用意したり、「廻り舞台」を動かす装置が置かれています。江戸のころの廻り舞台はもちろん人力でした

大屋根のセットが俳優を乗せたまま90度後ろへひっくり返るのは「どんでん返し」または「がんどう返し」と呼ばれ、次の場面に早替りする大仕掛です。

舞台セットは、大名御殿、神社や遊郭、商人の屋敷、庶民の長屋など様々な建物、満開の桜が広がる山の風景、大海原まで、意匠をこらした美術とセットで作られます。あふれる色彩、大胆な景色、この豪華さ、驚きの美術や転換は歌舞伎の楽しみのひとつです。

美しき小道具

美しき小道具

舞台装置は大道具、対して、役者が身につけたり、実際に芝居で使うものを小道具といいます。リアルに物語が進行する歌舞伎では、実にたくさんの小道具が使われます。扇や煙草など生活道具全般、刀、掛け軸などの装飾品、かんざしなどの飾りものなど、いずれも実にリアルに精巧に作りこまれています。ひとつの演目で準備する小道具は600~1000アイテム以上といわれ、演目が決まると小道具担当の裏方さんが準備にとりかかります。役者によって好みも異なるので実に大変。歌舞伎は裏方さんの技術と努力で支えられているのです。