五毛座のご紹介
ここでは、五毛座の歴史や、過去に公演された歌舞伎についてご紹介していきます。
地歌舞伎の伝統を後世に伝える公民館兼芝居小屋

岐阜県恵那市笠置山の山間、飯地町にある五毛座が建てられたのは、1951年(昭和26年)のことです。岐阜県の東濃地方では、江戸時代より各地域の神社芝居奉納が盛んに上演されていたという伝統があり、飯地地区でも沢尻天満宮をはじめ、地域の各神社に拝殿型の農村舞台を造って地歌舞伎を楽しんでいました。
そのような歴史や郷土文化を背景に、五毛座は誕生したのです。建設当時の昭和20年代と言えば、第2次世界大戦を終え、戦後の公民館建設ラッシュの時期。
飯地にも公民館が建設されることになり、飯地地区の人々にとって最大の娯楽であり地域の伝統文化であった地歌舞伎の舞台を造ろうと、この公民館に舞台や花道を備え付け、公民館兼芝居小屋としました。このように公民館が芝居小屋の設備を合わせ持った同様の例としては、蛭川地区の「蛭子座」が挙げられます。
公民館として建てられたものの、建物自体は歌舞伎小屋としての形式を採っています。建物は南側と西側で道路に接し、南向きに建ち、木造2階一部地下1階建て。建築面積は427平方メートルです。
南北棟は半切妻造り、桟瓦葺きの屋根で、正面の壁は下見板張りとなっています。中央に玄関を設けて寄棟屋根のポーチとし、入口には創建当時からの看板が掲げられ、歴史を伝えています。内部には花道を備えた舞台や客席の平土間、桟敷席を設置。回り舞台とすっぽんは当初からなかったと想定され、竹のブドウ棚が残されています。
歌舞伎小屋「五毛座」として新たなスタート
1955年(昭和30年)ごろになると地歌舞伎保存会が結成され、以降は毎年4月に行なわれる太田神社の祭典の余興として、地歌舞伎の公演を行なうようになりました。振付師は松本団升師、松本団女師です。
1984年(昭和59年)に飯地に新しい公民館が建設されると、1995年(平成7年)に旧公民館を「五毛座」と改名。2003年(平成15年)には大改修が行なわれ、昭和初期の建物の面影を残しながらも、両花道や2階席、鳥屋や楽屋なども備えた貴重な歌舞伎小屋として新たなスタートを切りました。
なお、保存会の名称も「飯地五毛座歌舞伎保存会」と改称。現在は、地域の子どもと保存会による地歌舞伎公演を、太田神社の例祭が行なわれる4月の第2日曜日に合わせて隔年で公演を続ける他、9月には敬老公演も開催されています。
五毛座は、2010年(平成22年)には国の登録有形文化財に指定されました。飯地町には、1954年(昭和29年)の昭和の大合併時に建設され、2008年(平成20年)10月に国の登録有形文化財に指定された旧恵那市役所飯地事務所庁舎やサイレン塔などもあり、いずれも恵那市のシンボルとして親しまれています。また恵那市内には他にも、岩村の城下町があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているなど、歴史の町として県内外から大勢の来訪があります。
過去に公演された歌舞伎
2015年(平成27年)
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
2014年(平成26年)
- 恵那市制10周年記念 第27回五毛座地芝居公演
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
2013年(平成25年)
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
2012年(平成24年)
- 第26回五毛座歌舞伎公演
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
2011年(平成23年)
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
2010年(平成22年)
- 第25回五毛座歌舞伎公演
- 子ども歌舞伎公演(敬老会)
劇場情報
劇場名 | 五毛座![]() |
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所在地 | 〒509-8232 岐阜県恵那市飯地町字中下185-1 |
連絡先 | 0573-22-3401(飯地公民館) |
アクセス | 中央自動車道・恵那ICから車で約30分 |
ホームページ | https://www.kankou-ena.jp/ena100/spot/ena048/ |
設備 | 客席(平土間、桟敷席)、舞台、花道 |
座席数 | ― |