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フラメンコのリズムを覚えよう/ホームメイト
振りを覚えるときの助けになってくれるのが、コンパスです。 コンパスというのは、基本のリズムにいくつかのリズムパターンが組み合わさってできているフラメンコ特有のリズムのことです。 コンパスによって、ギター、カンテ(歌)、踊りが結ばれます。 もちろん、このコンパスをきっちり刻めるようになることが大切ですが、習得したあとは、その場のノリによって、ギタリストや歌い手と踊り手は息を合わせて、メリハリを付けることがフラメンコの醍醐味でもあります。 熱くなる思いやせきたてるように盛り上がっていく感情はリズムの速度を上げ、哀愁を帯びた感情や何か怪しげな雰囲気は遅くして表現することで、観衆をも巻き込んでしまう感傷的、情熱的なフラメンコを演出できるのです。
フラメンコのパターン
フラメンコは、ジプシーの生活の中から生まれ、その影響を強く受けているものがもとになり、アンダルシア色が加わり、さらにその他の地域の影響を受けたものへと発展していきました。 微妙な短調がかかり、独特の翳りを帯びた節回しを持っているもの、軽快できびきびとしたもの、明るく華やいだ調子のもの、宗教的な重い調べなど、フラメンコの曲種はたくさんあり、コンパスの型や出生によっていくつかのパターンに分けられます。
フラメンコの曲種
最もフラメンコらしいのは、ソレア型と言われています。 それぞれ基本となるリズムを刻みながら、踊り手はパルマ(手拍子)を打ち鳴らし、ギターの伴奏や歌い手、ハレオ(かけ声)が一体化し、その曲のコンパスを作り上げています。 それでは、まず、フラメンコの基本となるリズムを紹介しましょう。 合わせて、パルマのリズムにも挑戦してみてはいかがですか?
主な曲種 | ||
---|---|---|
![]() | マルティネーテ型 | マルティネーテ、トナー |
シギリージャ型 | シギリージャ | |
ソレア型 | ソレア、カーニャ、アレグレス、ブレリア | |
ペテネーラ型 | ペテネーラ、グアヒーラ | |
タンゴ型 | タンゴ、ティエント、タラント、タンギージョ・デ・カディス、ガロティン、ルンバ、コロンビアーナ | |
歌のファンタンゴ型 | ファンタンゴ、マラゲーニャ、タランタ、バンベーラ、ミラーネ | |
踊りのファンタンゴ型 | ファンタンゴ・デ・ウエルバ、ペルディアーレス | |
セビジャーナス型 | セビジャーナス |
基本のリズムとパルマ例
では、いくつかの基本リズムを紹介しましょう。
以下の表で「薄い色」は打つ、「濃い色」はアクセントを付けて打つというように、分けて打ってみましょう。
リズムは多種多様ですので、それぞれの型の違いを感じるために、基本リズムに合わせて代表的なパルマ(手拍子)のリズムの例を紹介します。
【基本リズム1】 3拍子系 12拍1コンパス

【基本リズム2】 2拍子系 8拍1コンパス

【基本リズム3】 6拍1コンパス

アクセントに注意しながら、手拍子をしたり、足を踏み鳴らしたりしてリズムを覚えましょう。 例えば、フラメンコの典型と言われるソレア型のリズムなら、


のように変化を付けて足踏みするのも良いでしょう。 こうすると、かかとでアクセントを感じながらリズムを刻めます。 また、手拍子と足を使い、アクセントの部分で足を踏み鳴らすのも良いでしょう。 その場でやったり、進みながらやったりしながら、フラメンコの基本コンパス(リズムパターン)をつかんで下さい。 コンパスは、曲に合わせて様々なリズムにアレンジされたものがありますが、ここで紹介している基本のリズムがベースになっています。 基本のコンパス(リズムパターン)を覚えることで、フラメンコの曲へのノリも良くなり、初めてのレッスンでも習得しやすくなるでしょう。