八千代座のクチコミです。
熊本県にいって八千代座を見学に行きました。八千代座は国の指定文化財です。
明治43年に建設された芝居小屋で、江戸時代の芝居小屋様式の粋と洋風建築の長所を取り入れた建物なんだそうです。
八千代座の向かいの建物で入場券を買って八千代座に入ります。靴の袋を貰って靴を脱いで上がります。
中は昔ながらの歌舞伎の舞台をそのまま保存してあります。
そしてその舞台の一つ一つの部分に解説の書いてある札が立っています。
例えば、「本花道」美しく着飾った花のような役者が通ることから、この名がついたと言われる。舞台に向かって左側ん本花道、右側を仮花道と呼ぶ。というようにとてもわかりやすい解説札です。
本花道の舞台から7対3の位置にある神輿状の台が上下に動くすっぽんがあり、
その向こうに舞台があります。
舞台はまわり舞台といい、迫りと呼ばれる金色の地に松の絵が書いてある背景画があり、舞台の手前は赤い絨毯が敷いてあります。
迫りの上部に赤と白の和傘が4本開けた形で飾ってありました。
圧巻は、スポンサーの広告と花道をズラっと並んで照らしている赤い提灯が見事に当時の雰囲気を作っています。
スポンサー広告は、天井にも升目状にびっしりありました。
地酒の造り酒屋のものや、お醤油やさん、呉服商、肥料屋さん、お米屋さん、塗り物屋さんから木材屋さんなどなど、江戸から明治にかけての商いの様子が伺えるレトロでモダンな絵と文字を活かした広告内容です。
枡席だけではなく、二階席にも上がれるようになっており、2階の真ん中の席に座ると天井や花道の上にびっしり並んだスポンサー広告の素晴らしさに目を奪われます。
ちなみに一階の枡席は当時一枡に8人座り、八千代座の定員は1274人だったそうです。
舞台裏も見学可能です。
舞台の下の奈落は舞台装置などを動かす装置で思ったより狭くて衣装をつけた役者が通るのは大変だったろうなと思いました。
廻り舞台はまさしく人力で舞台を回す仕組みになっていました。
とても勉強になりました。