大阪市北区／
水都大阪の音楽ホール
大阪府大阪市北区中之島に位置する中之島フェスティバルホール。現在のホールは二代目で、10年ほど前に開業した高さ200ｍほどの超高層複合施設・中之島フェスティバルタワー内にあります。初代の旧ホールは1958年に、本格的コンサートホールとして水都大阪を象徴する中之島に開館し、50周年の2008年に中之島再開発により閉館するまで長きに渡り国内外の音楽家に愛されました。2700席をもつ大ホールで、天から音が降ると称され音の響きも抜群だったそうです。関西在住の年上の知人からは1970年の万博時にクラシックコンサート会場になっていたという話も聞きました。私が知るのは新しい現在の二代目ホールですが、同じく2700席を有し、重厚感のあるホール内は旧ホールへのリスペクトも感じます。赤い絨毯敷きの緩やかな階段を上りホールエントランスへと向かいます。吹き抜けで天井の高いホワイエには星空のような無数の照明があり、非日常空間を演出しています。客席は三層で、赤い布張りの椅子と茶色の内装壁が落ち着いた雰囲気です。両サイドにはバルコニー席を囲むように凸型の意匠があり印象的です。席はゆったりとしていて、長く座っていても快適です。特筆すべきは、客席の床の木目が美しくとても高級感があるのですが、聞くところによるとローズウッドというバイオリンやクラリネット、ギターなどの楽器に使われる種類だそうで、舞台上の楽器の音色に客席の床材が共鳴して、より一層深い響きを醸し出すのだそうです。ホール自体が楽器のような役割を担っていることに感動しますし、このホールが多くの人々に愛されつづける理由がわかる気がします。そして、客席に座る自分は、楽器とその音に包まれる感覚を十分に堪能すべくドキドキしながら開演を待つのです。中之島フェスティバルタワーへのアクセスは、京阪中之島線渡辺橋駅の12番出口直結、または地下鉄四つ橋線肥後橋駅の4番出口直結、JR大阪駅からも徒歩圏内です。水の都大阪で最上の音楽をあじわえる空間です。
